みなさま、こんにちは。
昨日から節気は、『夏至』に変わりました。
夏至とは
「夏至は一年で最も日が長く、夜が短くなる頃。
夏の盛りに向け、日に日に暑さが増していくが、梅雨の真っ只中にあたるため、長雨が続いて太陽はなかなか顔を出さず…、一方で田植えは終了、農家の方の忙しさもようやくひと段落する。」と謂われております。
恵みの雨が野山や田畑に降り注ぎ、種まきの季節に植え付けた作物はすくすくと成長します。
池や田んぼでは、雨音が跳ねるリズムに小さな蛙たちのメロディーが重なります。
また七十二候は、こちらに移ろいました。
夏至初候、乃東枯(なつかれくさかるる)
うつぼぐさの「花穂(かすい)」が黒ずんで、枯れたようにみえるころ。
その花穂は生薬として、昔から役立ってきた植物です。
冬至のころに芽を出して、6月〜8月に紫色の花が花穂にいくつも咲きます。
夏枯草(がごそう)とも呼ばれ、花穂を煎じて飲むと、利尿作用や消炎作用が。また煎じた液は、ねんざ・腫れの塗り薬にも、うがい薬にもなります。
英名は 「all-heal 」 (すべてを癒す)
今回の節気は、そんな身近な薬草にちなんだ言葉なのです。
冬に芽を出した夏枯草(がごそう)が枯れていく頃。
夏の花が咲く時期に、枯れゆく花を思う、優しさに溢れる言葉でもあります。
先ほど書きました、うつぼぐさの別名が「乃東(だいとう)」
ほかの草木が生い茂る中で、枯れていくさまは、昔から、なにか花影で、人々の心にも特別なものとして儚さを感じさせながらも、我々の身体を癒してくれる存在だったのでしょうね。
他にも、この時期は「どくだみ」も頼れる薬草の一つ。
葉を摘んでつけると、おできやじんましん、やけどに効果あります。
葉を煎じて飲むと、動脈硬化を予防し、お通じもよくなるとの事。
現代の西洋問わず、医薬品の開発にも、これらの「身近な薬草」たちがとても役立ってきたことが学びとして大きくあります。
「夏至」を過ぎるといよいよ、待ちわびたように元気な太陽が顔を出してきます。
この時期ならではの自然な色彩をも楽しみ、梅雨を通して、夏を迎え入れる準備をしたいものですね。