こんにちは のレンの坂口です。
風呂敷に馴染みのない方に風呂敷を使うきっかけになればと、のレン オリジナル生地であるレトロフラワーの風呂敷と風呂敷パッチンを組み合わせた「風呂敷バッグセット」を作りました!
風呂敷は、一枚の布を包み、結ぶ。シンプルな道具ですがその用途は多様です。
最近はエコ・サステナビリティの文脈から風呂敷が世界的にも再評価されていますが、折形文化にも通ずるでこころを表す贈答の包み文化、袋とは異なる包むというシステムといった点には日本文化の魅力が存分に詰まっていると考えています。
のレンでは風呂敷を日常的に使っていただきたいとの思いから、風呂敷バッグのセットの作成に至りました。
今回のブログでは、風呂敷の歴史や風呂敷が日本に根付いている背景などについて綴っていきたいと思います。
〇風呂敷の歴史
風呂敷は、足利時代(室町時代)、大名衆が入浴する際に自分の衣服を間違えないようにと、家紋を染め抜いた平包みに包み、湯上りに開いた布の上にに座して身づくろいをしたことから、風呂の敷物として「風呂敷」と称するようになったと言われています。
現在も使われている包む道具として広まったのは江戸時代。
江戸時代中期ごろまでは、銭湯に入るときは男性は風呂褌(ふんどし)、女性は湯文字(腰巻形の下着)をつけていたため、入浴後に濡れたものを包むために使われるようになりました。
同時に、時代劇などで見る行商人が背負って持ち運ぶ風呂敷もこのころ生まれ、小さなものを包む袱紗もできてきたそうです。
〇最近の風呂敷事情
先日参加させていただいた風呂敷メーカーの山田繊維様の展示会で、風呂敷を取り巻く状況についてお話を伺うことができました。
その中で頭に残った点として
・サスティナブル
・和風ラッピング
・HOWTO動画
この辺りのキーワードが特に記憶に残っています。
それぞれ詳しく言及すると
・サスティナブル
レジ袋の有料化をきっかけに、エコの観点から風呂敷に注目が集まったそうです。当時を振り返るとエコバッグを買い求める方が急激に増えた印象があります。
そのときに再評価されたのが、元祖エコバッグともいえる風呂敷の存在です。
エコバッグ同様繰り返し使え、綿やポリエステル素材であれば洗濯しやすいのでゴミの排出が少なく環境負荷が少ないことで若い世代にも浸透していったそうです。
・和風ラッピング
こちらは先述のサスティナブルとも関連性がありますが、最近お菓子や食品メーカーの贈答用のラッピングに風呂敷が採用されるケースが増えてきているそうです。
紙の包装紙で包むとどうしてもゴミが出てしまうため、包装紙代わりのラッピングとして風呂敷で包むことで環境に配慮しようという動きのようです。更に贈り物を受け取った方が、そのまま別の用途でも使えるのため喜んでいただけることも理由となっているそう。
・HOWTO動画
これは風呂敷ブランド むす美 の取り組みとして伺った話ですが、SNSと動画という今のテクノロジーを上手く活用された事例だと思いました。
むす美では風呂敷の活用方法や、実際の包み方を動画で分かりやすく紹介するコンテンツが人気だそうです。
確かに風呂敷は便利な道具であることは間違いないのですが、初心者の方のハードルは使いこなせるかどうかだと思いますので、動画でサポートすることで背中を押してあげることが出来ているのでないかと思いました。
〇風呂敷と日本文化
もちろんエコでサスティナブルな道具として風呂敷が見直されているのは喜ばしいことなのですが、風呂敷が持つ日本的発想、和室や座布団にも共通する和のシステムの面にも目を向けてもらえると、更に深い風呂敷の魅力を発見することができると考えています。
和装(着物)と洋装、風呂敷とカバンで比較してみましょう。
洋装やカバンは包む対象(身体やもの)に合わせて仕立てます。
オーダーメイドのスーツなどはその典型です。
この目的に合わせて道具を用意するのが西洋的な発想と言えます。
対する着物、風呂敷はというと、包むものの寸法を限定せずに包み込むというシステムです。
体形や用途に合わせて百の道具のバリエーションを用意する西洋に対し、ひとつの風呂敷・着物に百の用法を秘めさせるのが日本的な発想の特徴です。
道具を使う人が関わることで完成するシステムともいえます。
風呂敷も着付けと同じく修練が必要で、使い手次第で道具のポテンシャルを無限に引き出せる魔法の道具だと思います。
実際に風呂敷を普段から使っているかたの手つきを
見ていると、マジシャンのように滑らかで所作が美しいです。
専用の道具を揃えて便利な生活をするのも良いと思いますが、その考えが大量生産・大量消費につながってしまっている気がします。
工夫次第で無限の可能性を秘めている風呂敷のような存在を見直していくことで、モノが少なくても不自由なく暮らしていくことができれば、真に豊かでサスティナブルな世の中になっていくのではないかと考えています。
工夫次第で無限の可能性を秘めている風呂敷のような存在を見直していくことで、モノが少なくても不自由なく暮らしていくことができれば、真に豊かでサスティナブルな世の中になっていくのではないかと考えています。
風呂敷が持つこのような日本の価値観・文化背景は、現代を生きる日本人に受け継がれているとは言い難い状況です。
のレン では海外のみならず、西洋化してしまった現代の日本人にも先人たちの智慧ともいえる日本の価値観・文化を広めていきたいと考えています。
そのような背景から、まずは風呂敷を気軽に生活に取り入れていただくために風呂敷バッグのご提案をさせていただきました。
Amazonから購入いただけますので、是非お買い求めください。